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転職

銀行員の将来展望とFPへの転職について

銀行員の転職事情

こんにちは。FPのなかま編集部です。
ここ最近、銀行員の転職相談を受ける機会が増えてきました。
背景としてはAIの台頭によって、人の仕事がどんどん奪われていく時代になったからです。優秀な若手銀行員は将来の事を考え転職活動をしているのだと思います。
銀行員はAIに置き換えられる可能性が高い職業で、大手メガバンクも人員削減を大々的に発表しています。
2017年秋にはみずほフィナンシャルグループが1万9000人の削減を発表しました。
これに三菱UFJ銀行、三井住友銀行を加えたいわゆる3大メガバンクで約3万人規模の人員削減が発表されました。銀行に入れば安泰という時代はとうの昔になってしまったのです。僕が仮に銀行員であれば毎日が不安に感じてしまうかもしれません。
今回は銀行の今後や銀行員の転職にFPは向いているのかどうかを独自の視点で解説していきたいと思います。
[box05 title=”こんな人に読んで欲しい”]・毎日なんとなく働いている銀行員
・銀行の将来性を不安に感じている人
・FPに転職を考えている人[/box05]

銀行が大量の人材を削減する理由は大きく3つあると思います。

①フィンテックの台頭
②超低金利時代
③人工知能が人間の仕事を奪う

①フィンテックの台頭

フィンテックの台頭によって新しいテクノロジーがどんどん生まれています。仮想通貨などはいい例ですね。フィンテックにより銀行の決済業務を奪われる可能性が非常に高いです。クラウドファンディングなどの資金調達方法も増え、ますます銀行の業務に侵食してくるでしょう。

②超低金利時代

超低金利時代については、ゼロ金利政策の長期化によって銀行のメイン業務である金利の利ザヤで稼ぐことが出来なくなってしまいました。また、融資による利ザヤが取れなくても国債で運用していればほぼノーリスクで運用できる時代が続いていましたが、国債がゼロ金利に近づいたため国債による運用も厳しくなったのも理由の一つです。

③人工知能が人間の仕事を奪う

銀行員に限った事ではないですが、銀行業務は人工知能が仕事を奪いやすい仕事です。なぜなら銀行業務は事務仕事が多く単純作業も多いので、そのような仕事は人工知能の大好物です。銀行の支店もどんどん閉鎖されていく事になるでしょう。だから金融業界はAIに代替えさせることのできる業務が多い業界の筆頭なのです。

銀行員が勝ち組になるために

こういった事情から銀行の将来は決して明るいものとは言えないのが現状です。銀行員は優秀な方が多いのも事実です。ただその一方でマニュアル作業は得意だけどクリエイティブな仕事は苦手という方も多いという印象です。
銀行員にも大きく2パターンいると考えています。

1銀行員のスキルを活かして他業界に転職し銀行員以上の年収を手にする人
2銀行内でなんとなく仕事をし、専門性に乏しいままおっさんになっていき転職も手遅れな状態で銀行から放り出され年収が激減する人。

FPのなかまは1の気持ちをもった銀行員を応援していきたいですね。ただ現実は2の銀行員が大勢いるのが現状ではないでしょうか。銀行員として磨いた知識・経験を活かして他業種に転職、(FPだったら尚嬉しい)する選択肢をもってもらいたいですね。銀行員の転職のポテンシャルは非常に高いと思います。僕が転職の面談をしていて転職が上手くいっている方の特徴を簡単にご紹介します。
[box01 title=”銀行員がFPに転職して成功する人”]豊富な実務経験を活かしている。
銀行時代の考え方に凝り固まらず、新しい事にチャレンジできる
銀行員時代に培った人脈を活かすことが出来る
情報感度が高い。
ITリテラシーがある。[/box01]

[box02 title=”銀行員がFPに転職して失敗する人”]古い価値観で物事を考えてしまう。
新しい事にチャレンジする意欲が無い。
過去の成功体験に固執してしまう。
新しい商流を受け入れられない。柔軟性に乏しい。[/box02]

まず、僕の印象としては銀行員の中でも渉外業務で一定の成果を上げられる人は成功できる可能性が高いと思います。

渉外とは、外部と連絡・交渉する仕事。優れた聞き手を示す言葉でもあり、営業と同様、顧客の要望を聞き、それに応える提案を行っていく仕事をいう。例えば、百貨店において得意個人顧客を担当し、商品提案や様々なサービスを提供していく仕事、金融機関において富裕顧客を担当し、外貨預金や国債、投資信託、年金商品の販売を通し、資産運用をお手伝いする仕事などがある。渉外は特定の業界企業が使うケースが多いため営業ほど聞き馴染みはないが、業務内容は営業に非常に似ている。引用:リクルートエージェント

理由としては、渉外業務で一定の成果を上げている人はコミュニケーション力やヒアリング能力に長けているからです。こういった能力は、先天的に身についているケースもありますが後天的に努力して身に付ける方が多いです。銀行でこれらの能力を身に付けておくとFPでの転職も有利に働くでしょう。

FPへの転職について

僕個人の意見としては銀行員はFP転職への相性は非常に良いと思います。理由としては銀行員の強みがFP業務に非常に生きるからです。銀行員は2~3年ごとに部署をローテションするのが一般的かと思います。これにより幅広い実務経験を積むことが可能となります。専門家であるプロフェッショナルではなく、全体的な知識を身に付けるゼネラリストとしての教育を受けているようなものです。これはまさにFPの仕事にも直結すると思います。FPの仕事はゼネラリストとしての能力が求められるので銀行員との相性は良いかと思います。またその他にも銀行員の基本スキルとして決算書が読める事は強みです。決算書を読むことができないFPは以外にも多いです。銀行員は基本的なスキルですよね。FPの仕事はクライアントが会社を経営している事も多いので決算書から最適なアドバイスができるとより他のFPと差別化できます。

まとめ

いかがでしたか?今回はFPからみた銀行員を解説してみました。これから銀行に就職・転職を考えている人にとっては少し気分の悪い内容だったかと思いますが、あくまでもいちFPの解説ですのでご容赦ください。また転職を考えている銀行員はFPへの転職も選択肢に入れて頂けると嬉しいですね。その際は気軽にFPのなかまにご連絡ください。それでは今回は以上です。最後までお読みいただき有難うございました!

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FP独立開業

FP専門誌に掲載されました!

みなさんこんにちは。
この度、FPのなかま編集長の前田が日本FP協会様発行の「FPジャーナル5月号」に若手FP代表として特集されました。
タイトルは「新時代にはばたけ!若手FP」です。FPジャーナルとはFP協会が発行するFP向けの専門誌でFP協会の会員であれば毎月届くものです。こんな感じ。

日本FP協会について

日本FP協会はファイナンシャルプランニングの普及啓発とファイナンシャルプランナーの養成などを通じ、金融経済教育の分野で活動するNPO法人です。

[box05 title=”日本FP協会の概要”]協会名 特定非営利活動法人(NPO法人)
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
英文協会名 JAPAN ASSOCIATION FOR FINANCIAL PLANNERS
創立日 1987年11月19日
※2001年7月2日に特定非営利活動法人(NPO法人)として、スタート
理事長 白根 壽晴
職員数:職員124名(男性65名、女性59名)※2017年7月1日現在

会員情報
個人会員数 202,079名
CFP®認定者 21,922名
AFP認定者 161,147名
一般会員 19,010名
[参考]全国のCFP®・AFP認定者数、業種別属性・年代別属性
データで見るFP資格

法人賛助会員数 94社(認定教育機関数45社)
法人会員一覧はこちらをご覧ください

※2019年5月1日現在

事業目的・内容
【1】目的
広く一般市民に向けてファイナンシャル・プランニングの啓発と普及を図る。
ファイナンシャル・プランニングの担い手(専門家)であるファイナンシャル・プランナーを養成・認証する。

【2】事業内容

ファイナンシャル・プランニングに関する知識の啓発と普及
ファイナンシャル・プランニングに関する調査、研究及び情報の提供
ファイナンシャル・プランニングに関する書籍の発行
国内外のファイナンシャル・プランニング関係機関との交流
ファイナンシャル・プランナーの教育と資格認定試験の実施 引用:日本FP協会[/box05]

当日は5人のFPが集まりFP業界について若手目線でディスカッションをしました。

左から
田仲幹生さん CFP®認定者
株式会社あせっとびるだーず代表取締役
前田晃介さん CFP®認定者
株式会社マネープランナーズ代表取締役
田中未央さん CFP®認定者
日本生命保険相互会社
荒木千秋さん AFP認定者
荒木FP事務所代表
谷 亮磨さん CFP®認定者
谷FP事務所代表(ファシリテーター)

今回は20代~30代の若手FPが全国から集まりました。大阪や栃木からお越しになっているFPもいました。開催場所は東京だったので、私は近くて助かりました。独立FPが4人企業FPが1人の計5名で行いました。FP業界の若手の定義が40歳までのようですね。またアメリカには若手FPが集まるコミュニティがあるようです。

アメリカの若手FPコミュニティ「NexGen(ネクスジェン)」

ネクスジェンとは、次世代を意味する「ネクスト・ジェネレーション」の略で、参加資格は36歳未満のようです。2004年、20代の若手数名によって設立され、現在は2,500人を超えるグループになっています。すごいですよね。FPのなかまもネクスジェンを目指して活動していきたいですね。
ネクスジェンはアメリカのFP業界全体にも影響を与えています。次世代のCFP®実務家の教育、育成、統合を志向している戦略が注目されています。

今回のイベントに参加した感想

今回のイベントでは、FP業界の現状と今後について熱くディスカッションすることができました。FPを目指したキッカケやFPに転職するにあたって準備したことなどリアリティのある話が盛り沢山でした。FPとして仕事に活かすヒントや悩み、将来のことを共有する有益なイベントでした。今後も「FPのなかま」は若手FPと積極的にディスカッションをして、FP業界を盛り上げていきたいと思います。これからもFPの転職や独立を支援し続けていきます!最後までお読みいただき有難うございました。

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FP独立開業

【FPが潜入】治験の実態~事前検診編~

どうもFPのなかま編集部です。
皆さん治験って聞いたことはありますか?FPのなかま編集部のメンバーのKさんが今回治験に参加されました。その体験談をご紹介したいと思います。以下Kさんより取材。

治験に参加するきっかけ

治験について、私も今まで聞いたことはあったけど人体実験されるのは何となく怖いなぁという印象でした。そう思っていた矢先、無料で健康診断もしてくれてさらに報酬がもらえる治験は、いいことずくめなのではないかなと思い、気づいたらサイトから申し込みを行っていました。今回は治験の流れとやってみた感想を皆さんにお伝えしたいと思います。治験の具体的な内容については秘密保持の契約上、公開できないことはご了承ください。

治験とは

人における試験を一般に「臨床試験」といいますが、「くすりの候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験は、特に「治験」と呼ばれています。
引用:厚生労働省

つまり、これから世の中に薬を出すために事前に人体実験を行う事を治験というのですね。
治験に参加すると報酬が発生するものがあります。
[box05 title=”参加するまでの流れ”]ステップ1:事前に治験モニターサイトから申し込みを行う
ステップ2:抽選結果確認
ステップ3:事前書類郵送
ステップ4:事前検診当日(健康診断)
[/box05]

参加日当日

今回、治験の事前検診会場は「品川」でした。

集合時間は11:45

そんなに早い時間ではありませんでした。(健康診断は朝早いイメージ)
場所も迷わず到着することができました。なんたって駅徒歩1分ですごく近い!
事前検診は参加者が多いので利便性の良い駅でやるんですかねー。
会場のビルは、こんな感じ。今回はTKPさんの貸会議室でしたね。参加者の方々は30代前後が多く、皆さんいたって普通のいでたちでした。☜失礼w

本試験は神奈川の戸塚なので都内からだと約1時間で地味に遠いですからね。。

健康診断の内容

僕は健康診断でどんな項目を検査してくれるのかと楽しみにしておりました。おそらく、治験の内容によって検査項目も異なるんだとは思います。今回は、サプリメント接種により脂肪が燃焼するかどうかの実験のようで検査は以下の項目でした。
[box04 title=”検査項目”]①身長測定
②体重測定
③血圧測定
④血液検査[/box04]

検査内容めっちゃ少ないっ!!期待してたほどの健康診断ではありませんでしたね。まあタダだからしょうがないかというところです。

報酬について

今回の報酬は5000円でした。茶封筒に現金が入っていました。こんな感じ。

拘束時間は11:45から12:15までの30分間でした。30分で5000円かつ健康診断付きはなかなかお得なアルバイトではないでしょうか。次回は宿泊での治験がはじまります。ただ、事前検診に合格しないと次の宿泊試験に参加できないようです。合格通知は2週間前後で届くとの事でドキドキします。受かってるといいなあ・・・

まとめ

いかがでしたか?今回はFPが治験の前段階の事前検診に参加した様子をご紹介しました。感想としてはあっけなく終わって、これでいいの?ってな感じでした。当日に報酬も頂けて、かつ健康診断もしてもらったし、良い印象しかないですね。次回勧めるかどうかの結果発表まで2週間程度かかるので、合格していることを祈りながら待ちたいと思います。続きが書けなくなってしまいますからね。それではFPのなかま編集部Kさんの体験記でした。次回お楽しみに。

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FP独立開業 転職

【FPのなかま推薦】:あなたが選ぶべきFP資格の種類は?

[chat face=”woman1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]資格を取ろうと思うけど2級とか、AFPとかいろんな種類があって良く分からないわ。私は独立とかは考えていないけどFPとして転職はするかもしれないな。一体どの種類をえらんだら良いんだろう・・・[/chat]

この記事ではこのような方に向けて解説をしていきます。
[box05 title=”読んで欲しい人”]・FP資格の考えている人
・これからFPとしてステップアップしたい人
・FP業界に転職を考えている人
[/box05]

結論から申し上げますと是非CFP®まで取ってください。社内FP、独立系FPに限らず取得しているだけで業界から高評価を受けます。
そもそもCFP®の保有割合はFP資格保有者の中で10%以下です。それだけで差別化になります。社内FPでも取得していると一目置かれ社内の研修や専門性の高い業務に抜擢される可能性が有ります。一方独立系FPもAFP(2級相当)より高い専門知識がある証明にもなるので仕事の依頼も増えるでしょう。FP業界の転職としても間違いなく有利に働きます。

FP資格の種類について

まずFP資格の概要について簡単に解説します。
FP資格はNPO法人 日本FP協会が認定する「CFP®資格」(上級資格)および「AFP資格」と、国家検定であるFP技能士(1~3級)があります。民間資格と国家資格がありますが1級FP=CFP、2級FP=AFPというレベル感です。1級とCFP両方の資格を取得する方もいますし。
どちらか一方のみしか取得しないという方もいます。金融業界や不動産業界社内でFP資格を推奨しているケースが多いですね。特に金融機関は社内でFP資格を取得する事が昇進の要件になっているようです。

下記フローチャートをご覧ください。

出典:LEC東京リーガルマインド

受験資格について

僕は今はCFP®、1級FPを持っています。しかし過去に3級FPの受験に失敗しています・・・
受験した当時は大学生で3級だからそんなに勉強しなくても大丈夫だろうと余裕をブッコいてました。
試験当日も電卓をもっていかず、その結果見事不合格・・・皆さんはしっかり準備してくださいね。

出典:日本FP協会

3級FPの受験要件

3級FP[ファイナンシャルプランナー]技能検定は、どなたでも受検できます。

2級FPの受験要件

2級FP[ファイナンシャルプランナー]技能試験検定は、受検資格として、次の3ついずれかが必要です。

3級FP[ファイナンシャルプランナー]技能検定合格者 ※
FP[ファイナンシャルプランナー]協会のAFP認定研修を修了した者
FP[ファイナンシャルプランナー]業務に関し2年以上の実務経験を有する者

1級FPの受験要件

1級FP[ファイナンシャルプランナー]技能試験検定は、学科試験を先に受検し、合格者が実技試験を受検できます。受検資格として次の2つのいずれかが必要です。

2級FP[ファイナンシャルプランナー]技能検定合格者で、1年以上の実務経験を有する者
FP[ファイナンシャルプランナー]業務に関し5年以上の実務経験を有する者
CFP®認定者(全課目合格者を含む)は、1級FP[ファイナンシャルプランナー]技能検定試験の学科試験を免除され、実技試験から受検できます(合格日が実技試験が行われる日の属する年度及びその前年度ならびに前々年度に属するものに限る)。

FPとして働いている人の属性について

FP資格者の数は日本に約18万人います。
その属性内訳は、社内FPが約80%で独立系FPは約10%その他が約10%です。
独立系FPがいかに少ないかがこのデータをみても分かります。

出典:日本FP協会

FPが多いエリアはどこか?

FPはどのエリアに集まっているのかですが人口の多いエリアが必然的に多くなりますね。
関東ブロックがダントツでCFP®とAFPを合わせて約92,000人います。
僕の地元は高知ですが、四国エリアはCFP®が1000人以下と少ないですね。

出典:日本FP協会

これからのFP業界について

見て頂いた通りFP業界は社内FPがほとんどで独立系FPがかなり少ない現状です。これからお客様の利益を優先してビジネスを行うには独立系FPを増やすことは必要不可欠です。
お客様のお金を守りながら増やすために「FPのなかま」は独立系FPを増やし勢力を拡大していきます。1家に1FPを目指してFPの採用や教育を強化していきたいと思います。

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不動産投資

FPとして知っておきたいサブリースとは?

そもそもサブリースとは?

すでにオーナーになっている人や投資不動産の業界にいる方は当たり前に使っているサブリースという言葉ですが、一般の方にはなじみがあまりない言葉だと思います。
Wikipediaで調べるとこのような説明がでてきます。

サブリース(sublease)とは又貸し、転貸のことである。不動産賃貸においては転貸を目的とした一括借上(いっかつかりあげ)のことをサブリースと言うことが多い。規正法がなく(国土交通省が主導する任意の登録制度はある。後述参照)。2010年代前半から、ローンの不正契約や訴訟などが発生し社会問題となっている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

サブリース契約のトラブルは年々増加しております。僕のクライアントでも不動産会社とトラブルになっている現場を数多く見てきました。FPとしては、クライアントがトラブルに巻き込まれないようにサブリースについて理解しておくとより有益なアドバイスができる事でしょう。今回はサブリースと一般管理の違いを解説します。
またサブリースと一般管理どちらが良いかも解説していきたいと思います。

不動産管理の形態について

不動産管理契約を行う場合、大きく以下の2つの管理方式に分類されます。

・一般管理契約(集金管理)
・サブリース契約(借り上げ管理)

建物のメンテナンス管理や入居者の入れ替えなどのハード面の管理は大きく変わりません。決定的な違いは借主がサブリース会社で家賃保証を行う点です。

サブリースについて

サブリースを図にするとこんな感じです。

一般管理と違う点は借主がサブリース会社になっている事です。転貸借という形で管理会社が一般の入居者に貸し出します。
この場合管理手数料は10%前後+退去した際の免責期間1カ月などが発生します。この免責期間というのがクセモノです。
退去が発生すると1カ月は家賃が支払われないという事です。

一般管理について

一般管理を図にするとこんな感じです。

一般管理は、オーナーに変わって管理の代行を管理会社が行ってくれます。賃貸借契約はオーナーと入居者が直接行います。管理会社は家賃の集金はもちろんの事、入退去の手続きなど物件の管理に関する事はほとんどやってくれます。
管理手数料は3%~5%が相場ですね。オーナーは管理会社から入退去や修繕が必要な際に連絡がくるので、その対応をしておく程度です。

サブリースと一般管理どっちがいいの?

これは良くクライアントに相談されますが、結論から申し上げますとほとんどのケースでは一般管理を選択した方が良いでしょう。理由としてはサブリースは管理会社が儲かる仕組みになっているからです。またサブリース契約を行うと簡単に契約解除を行う事ができない点はデメリットが大きいです。

[chat face=”woman1″ name=”クライアント” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]賃貸経営は面倒だし、空室のリスクも取りたくない。だったら保証してくれるサブリース契約ってすごく良いんじゃないか?[/chat]

そう思う気持ちも分かります。
しかし、それは損したくないという感情での選択です。賃貸経営を行う上では合理的な判断が必要です。

僕ならこう回答します。

[chat face=”man2″ name=”FPのなかま” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]サブリースはオーナーにとってデメリットが多いので辞めておいた方が良いです。家賃保証という果実で見えずらくなっていますが、リスクは全て大家さん側にあります。事実サブリース会社は、サブリースによって相当な利益を得ています。また、サブリースは一生保証してくれるものではありません。運営状況が悪くなるとすぐに賃料の値下げや、サブリースの打ち切りを行ってきます。[/chat]

特に新築のサブリースは最悪です。空室のリスクが少ない10年間はサブリース会社が儲けを出します。そして築10年以降、空室リスクが高まると保障家賃の減額や家賃保証の打ち切りなどをこうなうケースがあります!
サブリースが無いと空室が心配なエリアであれば物件選択のエリアを考え直した方が良いです。サブリースに頼って物件を取得すると将来とてつもない苦労が待っていると思います。

サブリースは解約できない?

過去にクライアントからの相談でサブリースを解約させてもらえないという事例がありました。
それはどういう事かというと、サブリース会社が賃借人としての立場を主張してきたのです!
僕はとても驚きました。

流れはこうです。

[chat face=”man1″ name=”クライアント” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]サブリースを辞めて一般管理にしたいのですがどのような手続きをしたらいいですか?将来的に売却を考えています。[/chat]

[chat face=”man2″ name=”サブリース会社” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]それはできません。私たちは入居者ですので、正当な理由がない限りは解約する事ができません。売却の際は弊社でその物件を買い取りもしくは仲介をするならサブリースを外しても良いでしょう![/chat]

えっ!て感じですよね。
サブリースはあくまでも管理の契約という認識ですが、相手方の不動産会社は自分たちは入所者であるという主張をしているのです。また契約書にある文言で対抗をしてきました。
[box04 title=”契約書の文言”](契約期間および更新)甲(オーナー)は、正当の事由が認められる場合、本契約期間満了の6カ月前までに、乙(管理会社)に対し本契約の更新をしない旨を通知する事で、契約期間の満了をもって本契約を終了する事ができる。[/box04]

どこが問題かわかりますか?
そうです、正当な事由がポイントなのです。正当な事由って何?と思いますよね。

何が正当事由となるかは、裁判での判断に委ねられていて、多数の判例があるが、規定の趣旨に照らせば、借地・借家人に有利になる傾向があるのは当然である。判例を受けて、現在の借地借家法では、正当事由は、貸主・借主が土地・建物の使用を必要とする事情、賃貸借に関する従前の経緯、土地・建物の利用状況、立退料の提供などを考慮して判断するとしている。
出典:(株)不動産流通研究所

正当事由は裁判事例で様々で一概に決められるものではないようです。代表的な例でいうと建物の老朽化が進んで倒壊の恐れがあるので退去してもらう必要がある場合などです。それ以外は借家人の権利が非常に強い傾向があります。
なので正当事由という文言があるとオーナー側は非常に不利になってしまうという事です。サブリース契約の際はこの文言が入っているかどうかチェックする事が重要です。

まとめ

いかがでしたか?サブリース契約のトラブルは今後も増加する事が予想されます。家賃を保証してくれるから安心という安易な発想でサブリース契約をするのは危険です。FPとしては、一般管理とサブリースの違いを認識しておくとよりクライアントに対して説得力のあるアドバイスができると思います。少しでもみなさんの有益なアドバイスのお役に立てると幸いです。

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FP独立開業

FPが使う3つの提案書

FPはどのような提案書を作るのか?

FPがクライアントにアドバイスを行う際に、単に言葉だけではなく様々なツールを使ってアドバイスを行います。
よく勘違いされがちなのですが、FPは保険や証券などのセールスマンではありません。FPの1番重要な仕事はクライアントのライフプランを一緒に作り、プランの実行を援助することです。その為に、今回ご紹介する提案書の役目は重要です。
FPによって使っているツールは様々ですが、提案書はデザインなどは違えどおおよそ同じような形が多いです。
個別の事情によって作成する提案書は増えますが、今回は基本的にどのクライアントにも作成する提案書に絞りました。
多くのFPが一般的に作成している提案書をご紹介したいと思います。
FPは大きく3つの表をクライアントに作成してアドバイスを行います。

①キャッシュフロー表
②資産残高推移グラフ
③バランスシート

キャッシュフロー表について

[box02 title=”キャッシュフロー表”]

出典:株式会社MILIZE

[/box02]

キャッシュフロー表はお金の流れを把握する表です。100歳までのお金の流れを可視化します。もちろん作成したとおりになるわけではありませんが、いつどのタイミングでお金が必要になるのか予測するツールとして使用します。キャッシュフロー表を作成する事で将来の資金計画のイメージを掴んでいただきます。

資産残高推移表について

[box02 title=”資金残高推移グラフ”]

出典:株式会社MILIZE

[/box02]
資産残高推移グラフは、キャッシュフローで作った収支をより可視化したものになります。
どのタイミングで資金が増減するかが一目で分かります。
対策すべきポイントが見えてきます。上記のプランの場合このままいくと60歳手前で資金が枯渇します。
そうならない為に早めの対策を取る事により安心した老後を迎えることができるでしょう。

バランスシートについて

[box02 title=”バランスシート”]

[/box02]

バランスシートは貸借対照表とも呼ばれ、簡単に言うと「資産と借金がわかる表」です。
キャッシュフロー表よりも重要度が高いと言われています。家計の資産状況を把握する事ができるツールで、資産は多いけど負債も多く負債超過となっているケースなどもあります。この場合債務を整理するなどバランスシートの改善を行う事もあります。

まとめ

いかがでしたか?今回は代表的な3つの提案書をご紹介しました。この他にもクライアントに応じて数十種類の提案書を作る事があります。ですがまずは基本的な提案書をしっかり作るところか始めると良いと思います。提案書は様々なライフプランソフトで作成可能です。以前のコラムをご参照ください。「FPの使うソフトウェアシステム参照」自分にあったライフプランソフトを選ぶと良いと思います。

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質問コーナー

【質問】電子決済やQR決済について種類が多くて分かりません。

平川様からの質問です。

電子決済やQR決済について種類が多くて分かりません。
キャッシュレス化が流行していますが、電子決済の方法が多くてどれを利用するか迷っています。以下の特徴およびオススメの決済方法があれば教えてください。

・クレジットカード
・デビットカード
・交通系電子マネー
・何とかPay(LINEPay,PayPay等)

キャッシュレス化加速について

ここ最近急速にキャッシュレス化に進んでいますね。
平川様がおっしゃる通り種類が多すぎて迷いますよね。
ただ、QR決済などは利用額の20%還元など驚異的に得をする
キャンペーンを行っているので使わない手は有りません。

結論から先に話すと初心者の方はまずは以下から始めましょう!

・クレジットカード
・QR決済(PayPay,LINEPay)

上記を使い分けると良いと思います。
クレジットカードはQR決済と紐づけて使う場合もあるため1枚は持っておくと良いと思います。
QR決済については2種類入れることをおススメします。
理由はそれぞれ店舗で対応可能なQR決済が違う為です。2種類使う事により補完します。

例えばLINEPayは使えるけれどPayPayは使えないなどの場合があるからです。

電子決済について1つずつ解説します。

クレジットカードは簡単に言うと、後払いで買物の支払いができるカードのことです。
カード会社によっては使用額の1%が還元されるなどのメリットがあります。
また手持ちに現金がなくても支払いが出来るので便利です。
一方で、デメリットとしては後から支払いなので気づいたら使いすぎる事があります。
毎月クレジットカードの支払いが大変でという知人が私の周りにもいます。

デビットカードはクレジットカードと似ているのですが
大きな特徴として「即時決済型」であるという点です。
支払ったと同時に、銀行口座から引落がかかります。
クレジットカードで使いすぎが心配な方はデビットカードにするのも1つですね。

交通系電子マネーはSuicaやPASMOが有名ですね。
カードタイプと携帯に内蔵するタイプがあります。
メリットはなんといっても使いやすいです。
タッチするだけで決済できるので他の決済手段と比べて一番使いやすいと思います。
(QR決済はアプリを立ち上げないと使えない為)
電子マネー単体ではそれほどポイントが貯まらないというところがデメリットでしょうか。

現時点でのQRコード決済の種類

最後になんとかPayですが、2019年5月時点では以下があります。
[box05 title=”QR決済の種類”]・PayPay
・LINEPay
・楽天PAY
・OrigamiPay
・d払い
・メルPay[/box05]

それぞれ特徴はありますが、
楽天ユーザーなら楽天PAY
ドコモユーザーならd払い
メルカリユーザーならメルPay
を使い分けるとユーザーメリットがあると思います。

OrigamiPayはクーポンなどが強いのでよりお得にクーポンを得たい場合などは
取得するのも一つかと思います。

現時点で王道はLINEPay,PayPayかと思います。
利用可能店舗が多い事や還元率が高い事が理由として挙げられます。

最初の設定など面倒かもしれませんが、これからキャッシュレス社会はどんどん
進みます。

今のうちから慣れると良いと思います。
今は各企業がしのぎを削ってキャンペーンを行いユーザーに
還元しているので平川様もその恩恵にあずかりましょう。

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FP独立開業

FPの学校開催します!

FPの学校とは?

FPのなかま運営責任者の前田が企画・運営に携わっています。

■学校の特徴

本校では基本的な知識の復習と“顧客の利益に資する”というFPの本来の在り方、それを支えるモラル的な教育に加え、実際のシミュレーションツールを使用したコンサルティングの実践教育を行います。また、卒業生には十分なモラルとスキルを有した人材であることを証明する認定証を発行するとともに、その後のコンサルティング活動を支えるために、専門家やコンサルティングを必要とする消費者とFPをつなぐプラットフォームサービス、コンサルティング支援ツールなどを提供します。

特にこのプラットフォームではFPへの送客を手厚くサポートし、消費者とFPおよび専門家(士業)の連携を支援します。FPが独立する際に直面する大きな課題として、集客の仕方がわからないというものがあります。この課題が解決されない限り優秀なFPも安定的な収入を得ることが難しく、独立を躊躇しているという状態です。

事前説明会当日の写真はこんな感じです。

30名以上にご参加いただきました。

講師の方々です。

FPの学校卒業後のイメージ

講座を修了したFPはスキル・モラルともに十分な水準を満たした人材として認定し、弊社が責任をもって消費者と仲介することにより、FPへは集客という課題の解決策を、消費者へは責任の所在が明確な安心を提供します。

受講を通じてFPとして必要な知識はもちろんのこと、システムツール「Milize FP」の使い方、集客方法を学ぶことができます。株式会社MILIZEではFPを必要としている提携企業に積極的に卒業生を推薦していく予定です。

学校卒業後のイメージ図

募集要項

詳しくはFPの学校特設サイトにて概要の確認お願いいたします。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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住宅購入

【FP視点で解説】不動産を買うときの不安の正体

不動産購入は心配事がつきない?

不動産購入は人生の中でもビックイベントですよね。僕のFP事務所では約70%以上が不動産関連の相談です。マイホーム購入のみならず、実家の相続や、不動産投資の営業マンからしつこく電話を受けて困っているなど、多種多様です。日々お客様と面談している中で不安の内容は様々ですが、多くのお客様は漠然とした不安を抱えています。今回は不動産を買うときの不安の正体を明らかにします。そして不安を取り除く方法を解説していきたいと思います。

一体何が不安なのか?

お客様に何が不安なのか質問をすると、大きな買い物なのでなんとなく不安という返答が多いです。
面談の現場では漠然とした不安の原因を一つずつ解明し、不安を解消する作業を行います。
不安の内容は人それぞれですが、以下3つの不安が圧倒的に多いです。

  • 住宅ローンを借りることに対する不安。
  • 人口減少社会で今買うと不動産の価値が下がってしまうのではないか不安
  • そもそも購入と賃貸どちらが自分に合っているのか分からない。

住宅ローンを借りることに対する不安。

住宅ローンは数千万円と非常に高額です。多くの方が人生で一番高い買い物だと思います。
ただ賃貸の家賃を払う事も住宅ローンを支払う事も「住宅コスト」を支払っていることに変わりありません。
問題は「住宅コスト」にかけるお金が適正かどうかです。
この不安を解決するには、将来のライフプランやキャリアプランを考える必要があります。
まずは今の収入と支出をはっきりさせます。意外と家計の収支を把握されてないご家庭が多いです。収支が見えてくると
お子さんは何人を想定するか、教育費はどのくらいを想定するかなど今後かかるであろう支出の棚卸を行います。
また、出産後に奥様が時短勤務や専業主婦になる場合の収入の下落も考慮することも重要です。
キャリアプランに関しては今後の収入はどの程度を想定するのかを考える必要があります。
このように1つずつお金の流れを明確にしていけば返済計画のイメージを持つことができます。
返済計画を漠然としたものから明確にイメージする事によって住宅ローンを借りることに対する不安も少なくなっていきます。

人口減少社会で今買うと不動産の価値が下がってしまうのではないか不安

今後不動産の価格は3極化が進むと言われています。
3極化は大きく次のように分かれます。

  • 3大都市圏
  • 地方中核都市
  • それ以外の地方

不動産を辞書で調べると、「土地やそれに定着する建物・立ち木など。物のうち容易にその所在を変えることが出来ないもの。」とでてきます。ここが非常に重要です。不動産の価値が下がるかどうかは立地に大きく左右されるという事です。駅に近い事や通勤に便利な路線などはこれから人口がさらに増えるエリアも考えられます。
その一方で、郊外エリアや駅から遠い不便な物件は値下がりする可能性が高いです。
購入する物件の将来の資産価値を踏まえて購入を考えると失敗しずらいと思います。
不動産ジャーナリスト榊淳司さんや不動産コンサルタントの長嶋修さんは非常に勉強になる情報を発信されているので一度ご覧になると良いと思います。

そもそも購入と賃貸どちらが自分に合っているのか分からない。

良く賃貸と購入どっちがお得か!?という質問を頂きますが、経済合理性で考えると大差はないと考えます。
一生のうちに支払う住宅コストは賃貸でも持ち家でもさほど変わりません。
例えば賃貸が圧倒的に有利な条件であれば、多くの方が賃貸を選ぶと思います。その結果、物件は全く売れなくなってしまいますよね。なので賃貸が安いとなれば購入の方は物件の価格を下げざる得ないでしょう。そうすると賃貸と購入のバランスがとれていくというのが経済合理性で考えると変わらないという事です。なのでどちらかが確実に特になるという事はありません。ただ個別の事情を考慮すると購入か賃貸かどちらが良いか判断はできると思います。

不動産の営業マンにお金の相談はしてはいけない!?

家を買う際に相談しやすい人と言えばまず第一に不動産営業マンではないでしょうか?物件の説明など親身になって行ってくれるので、なんでも相談したくなりますよね。ただお金の相談だけけは別の方にすることを強くお勧めします。それはなぜか!?

不動産屋さんは不動産を売るプロでお金のプロではないから

有名なドラマの「家売るオンナ」でもこんな名言がありますよね。私に売れない家はない!!そうです、不動産屋さんの商売を家を売る事です!それを理解したうえで不動産屋さんと接しなければなりません。 例えばあなたが今家を買うかどうか悩んでいたとします。そこで不動産屋さんに家を買うタイミングはいつが 良いか相談するとしましょう。すると不動産屋さんはこう言います。「今が絶好の購入のチャンスです!」つづけてこんな事を言うでしょう。 「住宅ローンも低金利で住宅ローン控除もあって購入する上で有利な条件がそろってます。」 たしかに有利な条件である事は間違いないのですが、あなたが購入するタイミングが今かどうかは別問題です。

まとめ

いかがでしたか?不動産は人生で1番大きな買い物です。漠然とした不安が付きまとうものです。
社会情勢をコントロールする事はできませんが、これからの仕事や収入、支出、家族に関することは、計画を立てることによって漠然とした不安が少しずつ解消されると思います。ご自身で計画を立てても良いですし、もし自分だけでは不安な場合はファイナンシャルプランナーに相談してみて下さい。客観的な意見を聞くことによって新たな気づきを得られるかもしれません。FPのなかまはみなさんの不安や悩みが少しでもなくなる事を願っております。後悔のない選択ができると良いですね。

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FP独立開業

会社員が独立するときに考えるべきこと

[box03 title=”ポイント”]

  • 開業手続きの煩雑さ
  • 税制面で考えると課税所得900万円以上
  • 社会的信用度が事業に与える影響を考える

[/box03]

個人事業にするか法人を設立するか

まずは会社を設立するかどうかを考える必要があります。
1番の違いは個人の場合、「利益を得る」「損失を負う」など取引先との契約行為は全て個人が対象になります。
個人事業は無限責任です。事業での損失は全て個人が負担する形となります。
一方で法人の場合は社長個人ではなく法人が責任を負う形になります。株式会社等は有限責任で、責任を負うのは出資額までです。

開業手続きの違い

個人事業の場合は税務署に届け出を行うだけで可能です。手続きの費用もいりません。
個人事業の方がより早くコストをかけずに開業が可能です。
法人の場合は会社法に従い設立登記が必要になります。25万円から30万円の費用が掛かります。
一般的には税理士や司法書士に依頼をして手続きを行う事が多いです。

税金の違い

個人の税率は所得が大きくなるにつれて個人事業の方が税負担が重くなります。
税率は15%~55%(所得税+住民税)です。
法人の税率は20%~34%です。
課税所得が一定額を超えるようであれば法人の方が税メリットが大きい事がわかります。

損益分岐点として一般的には事業所得が900万円を超えるようであれば、法人化した方が税金は少なくなると言われています。

まずは個人事業で始めて事業が軌道に乗り始めたら法人化をするというのが無難な考え方かと思います。
僕自身スタートは個人事業主ではじめました。2年目から法人化して事業を行っています。
以下の表は株式会社と個人事業の違いを表にまとめたものです。

株式会社 個人事業
開業手続き 会社法で決められた登記手続きが必要 税務署への届け出のみ
設立費用 25万円~30万円     不要
事業の責任 出資金の範囲 無限に責任を負う
事業の廃止 所定の手続きが必要 税務署への届け出のみ
税金の負担 利益が多くなると個人事業主に比べて有利 利益が多くなると株式会社に比べて不利
会計処理 複雑(税理士依頼が一般的) 簡単(会計ソフト利用)
経費の範囲 個人事業主に比べて経費にできる範囲が広い 株式会社に比べて経費にできる範囲が狭い
決算報告     必要     不要
社会的信用度     高い     低い

 

まとめ

個人事業と法人それぞれメリット・デメリットはあります。手続きの手間などで考えると個人事業の方が比較的スタートはしやすいです。ただ取引先企業が個人事業主には仕事が発注できない場合など、仕事を受ける上で法人にしておいた方が良いケースもあります。自身の事業特性を考えて個人事業で始めるか法人を設立するかを検討されると良いと思います。
また、会社員時代と違いすべて自身で手続きを行う必要があります。起業に関して不安な時は起業支援に明るい税理士やFPに相談してみるのも1つだと思います。FPのなかま編集部は、みなさんのビジネス成功を応援しています。お力になれることがあれば気軽にお問い合わせください。