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(実例解説付き)未経験からFPを目指すキャリアプラン

未経験からFPを目指される方へ

[box03 title=”この記事を読んでもらいたい人”]・FPとしてのキャリアをスタートしたいがどうすれば良いのか分からない人
・現在FPになる道を考えているが踏ん切りが付かない人
・FPの生態を知りたい人[/box03]

最初に結論を申し上げると、FPになるには絶対にこうでなければならない!といた明確な答えはありません。
先日、未経験からFPへの転職相談にお越しいただいた方がいたので、一つの実例から、どのようにキャリアを積んでいくのが望ましいのかをお伝え出来ればと思います。

どのような方がご相談に来られたのか

ご相談に来られた方は、学校を卒業されてからずっと「飲食の世界」で働いていました。以前自分がFPに相談をした際にとても感動されたそうです。その経験からお客様の幸せに大きく貢献出来るFPという仕事に憧れをいだきました。そしてこの度、一念発起し、新たな業界へチャレンジしたい!という想いでご相談に来られした。

ご相談者の属性は下記です

・FP業界未経験
・関連資格なし
・20代後半男性

実際の相談内容

「FPとしての資格も、実務経験も一切ないのでまずは保険営業から始めて勉強したい。
どこの生命保険会社に入れば良いか?」といったものでした。
果たしてこの考え方は合っているのでしょうか?

保険営業からFPへの転身はよくあるパターン

FPを目指されている方が、まず保険営業としての実務経験を積もうと考えるのはよくあるケースだと思います。
FP業務の6分野(ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、不動産、相続事業承継)のうち、保険の関連している業務の割合は非常に多い為、保険についての知識や実務は必須といっても良いと思います。
実際に私の身近には保険業界を経て、FPとして活躍されていらっしゃる方が大勢いらっしゃいます。ただし、問題はどうすればより良い形でFPの経験を積む事が出来るのかという点です。

どこの保険会社が良いか?

結論から申し上げると、どの保険会社でもマッチしない可能性が高いです。
何故ならば、一社専属の保険営業は、いかにして保険の売上を伸ばすか、に強くフォーカスされる環境だからです。どんなにお客様の為になる提案をしようが、その結果営業数字が足りなければ一切評価されることは無いですし、どんなあくどい事をしていようが、バレなければ営業成績が一番良い人間が褒めたたえられる環境です。

所長によってカラーは異なるのでどんな人に採用されたかによって多少の差こそあるものの、FPという仕事に夢を持って始められた方には、お客様の為の提案をしても、それが評価されないような状況は、精神的に苦労するのではないでしょうか。営業経験も全く無いこの方が、営業ノルマに追われた結果、数字の為の提案内容を作る様が私には目に浮かびます。

損保研修生制度

それではどうやって経験を積めば良いのか?という疑問が出てくると思います。
選択肢の一つとしてお勧めしたいのが、保険代理店に所属した上での損保研修生制度の活用です。
今回の相談者は、未経験の状態からいきなり複数の商品を扱う保険代理店に行くのはハードルが高い、と考えて転職先の候補から外していたようですが、実はそういった方の為の研修制度が保険代理店にも存在します。
具体的にどういった制度かと言うと、
保険代理店から出向という方で、損保系保険会社の一社専属の保険営業として働く制度です。
出向期間中は固定給を得ながら、未経験の方向けの研修を受け、損保と生保の実務経験を積むことができます。
職場の周りの方も、同じように保険代理店から出向してきた方ですので、少なくとも保険の営業数字が全て!というマインドの方に囲まれた環境とはまた別の状況です。
更に、所属する代理店によっては、既に活躍されている先輩FPに教えを乞う事も出来ます。
このような話をしたところ、
そんな自分にピッタリな制度があるとは知らなかった!是非その制度で勉強したい!
という事で、その方に合った保険代理店をご紹介することになりました。

最後に

今回は損保研修生制度のご紹介が中心になりましたがいかがでしたでしょうか?
業界の事が分からず、ご自身にマッチしていないスタートを切った結果、そのまま業界を去っていく、というような方が一人でも減ればと思い、お伝えさせていただきました。
また、いい事尽くめにきこえるこの制度ですが、実は大きな落とし穴もあります。
更に詳しいお話を聴きたい方は是非一度ご相談にお越し下さい!
それでは皆さんのFP人生がより良いものになるようにお祈り申し上げます。

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FPが語る生命保険業界の闇

FP活動をする上で、切っても切り離せない生命保険業界。
今回はその生命保険業界の闇についてお伝え出来ればと思います。

[box05 title=”こんな人に読んで欲しい”]・保険業界に興味のある方
・保険業界に入られたばかりの方
・保険営業からFPに転職を考えている方[/box05]

★生命保険業界はこんな業界

保険営業の人数は直販(〇〇生命という名刺で活動している保険営業を指す語)だけで約23万人。
大勢の営業が日々活動に勤しんでいます。
業界内では「信号の数よりも多い」なんていう表現が良く使われます。

人の入れ替わりが激しく、業界内でブランド力のある某P社でも2年内離職率が6割超、全体で見れば8割ほどの人が辞めていく厳しい業界です。
また、完全歩合で青天井の給与体系も大きな特徴です。
この言葉に惹かれて転職を決めた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その謳い文句通りの給与体系にも拘らず大勢の人が食えずに人知れず業界を去っていく……
今回は何故こんな入れ替わりの激しい業界なのか?に焦点を当ててお話出来ればと思います。


1、所長職

まず、未経験の営業が活躍出来るようになるのに大きなウェイトを占めるのが営業教育。
なのでその営業教育を担っている(とされている)所長職についてお話します。

皆さんは、保険営業を採用する所長またはマネージャーがどのような仕組みでその地位に就いたのか、どのような雇用形態なのかご存知でしょうか?

一部例外もありますが、基本的に所長は元保険営業です。
保険営業で、所長になりたいものが手を挙げます。

・規定の人数を採用できたか?
・規定の営業成績を挙げられたか?

以上2点で評価され、条件を満たしていれば晴れて所長職へとなれる仕組みです。
つまり営業としての実力は判定されるものの、教育能力はほぼ関係ありません。

ポイント1:所長になるのに教育能力は関係ない

次に雇用形態についてです。勿論、部下がどれだけ保険契約を挙げたかによって貰える給与も変わります。
しかし、会社から求められる数字、いわゆるクビになるノルマは採用人数に対して課されますし、何人採用したかを重視した給与体系の会社も見受けられます。

ポイント2:所長職も採用ノルマを持った、ただのフランチャイズである

所長は「〇〇生命」という看板を借りて、採用業を行う個人事業主です。
常に採用ノルマに追われおり、それによって採用された営業マンの契約してきた保険料が保険会社への上納金となるわけです。
つまるところ、保険業界というのはビジネスモデル上、営業教育の体制が全く整っていない業界、という事になります。
ただでさえ高度な営業力を求められるというのにそれでは、入れ替わりが激しくなるのも仕方がありません。

2、何故このような体制が改善されないのか?

何故このような体制がずっと続いているのでしょう?
それはその給与体系に秘密があります。

最初はわずかながら固定給もつく事ですし、その分を回収しなければ会社は赤字になりますから、
私は「ちゃんと営業教育をして皆が数字を挙げられるような仕組みにしたほうが良いよね。そっちのが会社も儲かるんだから!」と思っていました。

ですが、後述の仕組みを利用した上で、統計上絶対に損をしないよう給与体系が組まれているのです。

3、孤児契約

前述の保険会社が損をしない仕組みを支えているのが、”孤児契約”です。
これが何か説明しますと、保険契約で、保険会社側の担当がいなくなった契約をこう表現します。

保険契約というのは、一部の商品を除き、継続手数料が数年に渡り担当営業に支払われ続けるのですが、もし担当営業が途中で会社を辞めてしまったら、その手数料はどうなるでしょうか?
なんと一切支払う必要がなくなるのです!
つまり保険会社にとってその契約は最も利益率の高い保険契約となります。

多くの人が去っていく保険業界ですが、辞める前、苦しくなった保険営業がやる事は大抵身内契約や、いわゆるお願い契約です。なので、全ての保険営業に対して、最低限ある程度の契約は見込めます。

また、私は保険営業をされている方が大好きなのですが、素敵な想いや、志を持ってこの仕事に取り組まれている方が多く、続けるのが大変な状況になっても少しでも長くこの仕事を続けようと頑張られる方が多いです。
ただ、無理というのは続かないので最終的に辞めざるを得なくなるのですが……
結果として孤児契約が、保険会社にとってのドル箱契約が、残されるわけです。

4、まとめ

結局のところ、残念ながら、自社の収益を優先し、多くの保険営業の犠牲の上に成り立つビジネスモデルを構築しているのが生命保険会社の現状であると言えます。

ではどうすれば良いの?そこから抜け出すための手がかりが欲しい、という方。
現在、この業界の現状を何とか変えていくために「FPのなかま」は、様々な取り組みをしております。
お力になりますので是非一度ご相談にいらして下さい。最後までお読みいただき有難うございました!