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FP独立開業

FPが語る生命保険業界の闇

FP活動をする上で、切っても切り離せない生命保険業界。
今回はその生命保険業界の闇についてお伝え出来ればと思います。

[box05 title=”こんな人に読んで欲しい”]・保険業界に興味のある方
・保険業界に入られたばかりの方
・保険営業からFPに転職を考えている方[/box05]

★生命保険業界はこんな業界

保険営業の人数は直販(〇〇生命という名刺で活動している保険営業を指す語)だけで約23万人。
大勢の営業が日々活動に勤しんでいます。
業界内では「信号の数よりも多い」なんていう表現が良く使われます。

人の入れ替わりが激しく、業界内でブランド力のある某P社でも2年内離職率が6割超、全体で見れば8割ほどの人が辞めていく厳しい業界です。
また、完全歩合で青天井の給与体系も大きな特徴です。
この言葉に惹かれて転職を決めた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その謳い文句通りの給与体系にも拘らず大勢の人が食えずに人知れず業界を去っていく……
今回は何故こんな入れ替わりの激しい業界なのか?に焦点を当ててお話出来ればと思います。


1、所長職

まず、未経験の営業が活躍出来るようになるのに大きなウェイトを占めるのが営業教育。
なのでその営業教育を担っている(とされている)所長職についてお話します。

皆さんは、保険営業を採用する所長またはマネージャーがどのような仕組みでその地位に就いたのか、どのような雇用形態なのかご存知でしょうか?

一部例外もありますが、基本的に所長は元保険営業です。
保険営業で、所長になりたいものが手を挙げます。

・規定の人数を採用できたか?
・規定の営業成績を挙げられたか?

以上2点で評価され、条件を満たしていれば晴れて所長職へとなれる仕組みです。
つまり営業としての実力は判定されるものの、教育能力はほぼ関係ありません。

ポイント1:所長になるのに教育能力は関係ない

次に雇用形態についてです。勿論、部下がどれだけ保険契約を挙げたかによって貰える給与も変わります。
しかし、会社から求められる数字、いわゆるクビになるノルマは採用人数に対して課されますし、何人採用したかを重視した給与体系の会社も見受けられます。

ポイント2:所長職も採用ノルマを持った、ただのフランチャイズである

所長は「〇〇生命」という看板を借りて、採用業を行う個人事業主です。
常に採用ノルマに追われおり、それによって採用された営業マンの契約してきた保険料が保険会社への上納金となるわけです。
つまるところ、保険業界というのはビジネスモデル上、営業教育の体制が全く整っていない業界、という事になります。
ただでさえ高度な営業力を求められるというのにそれでは、入れ替わりが激しくなるのも仕方がありません。

2、何故このような体制が改善されないのか?

何故このような体制がずっと続いているのでしょう?
それはその給与体系に秘密があります。

最初はわずかながら固定給もつく事ですし、その分を回収しなければ会社は赤字になりますから、
私は「ちゃんと営業教育をして皆が数字を挙げられるような仕組みにしたほうが良いよね。そっちのが会社も儲かるんだから!」と思っていました。

ですが、後述の仕組みを利用した上で、統計上絶対に損をしないよう給与体系が組まれているのです。

3、孤児契約

前述の保険会社が損をしない仕組みを支えているのが、”孤児契約”です。
これが何か説明しますと、保険契約で、保険会社側の担当がいなくなった契約をこう表現します。

保険契約というのは、一部の商品を除き、継続手数料が数年に渡り担当営業に支払われ続けるのですが、もし担当営業が途中で会社を辞めてしまったら、その手数料はどうなるでしょうか?
なんと一切支払う必要がなくなるのです!
つまり保険会社にとってその契約は最も利益率の高い保険契約となります。

多くの人が去っていく保険業界ですが、辞める前、苦しくなった保険営業がやる事は大抵身内契約や、いわゆるお願い契約です。なので、全ての保険営業に対して、最低限ある程度の契約は見込めます。

また、私は保険営業をされている方が大好きなのですが、素敵な想いや、志を持ってこの仕事に取り組まれている方が多く、続けるのが大変な状況になっても少しでも長くこの仕事を続けようと頑張られる方が多いです。
ただ、無理というのは続かないので最終的に辞めざるを得なくなるのですが……
結果として孤児契約が、保険会社にとってのドル箱契約が、残されるわけです。

4、まとめ

結局のところ、残念ながら、自社の収益を優先し、多くの保険営業の犠牲の上に成り立つビジネスモデルを構築しているのが生命保険会社の現状であると言えます。

ではどうすれば良いの?そこから抜け出すための手がかりが欲しい、という方。
現在、この業界の現状を何とか変えていくために「FPのなかま」は、様々な取り組みをしております。
お力になりますので是非一度ご相談にいらして下さい。最後までお読みいただき有難うございました!


作成者: 高村 盛彦

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